強い手でバリューベットを打つなら、ブラフも混ぜないとコールしてもらえない。このように聞いたことはないでしょうか。
「では、どれくらいの割合でブラフを混ぜればよいのか」
「ブラフには、どの手を選べばよいのか」
この2つが分からないまま、手が外れたときになんとなくブラフを打っている方は少なくありません。
本稿では、ベットサイズごとのバリューとブラフの比率と、ブラフ候補を選ぶ3つの基準を解説します。相手が降りない場合に、バリューだけで打つ考え方との使い分けも整理します。
- リバーのブラフの割合は、ベットサイズで決まる(ポットと同額ならバリュー2:ブラフ1)
- ブラフ候補は「勝てない手」「相手のコールする手を減らす手」「相手の降りる手を減らさない手」から選ぶ
- 降りない相手にはブラフを減らし、バリューだけで打つ
ブラフの割合はサイズで決まり、候補は3つの基準で選ぶ(結論)
比率は、相手が自分の範囲を考えてコールを決める場合の目安です。相手がほとんど降りない場合や、降りすぎる場合は、比率から離れて調整します。
ベットの目的がバリューとブラフの2つである理由は、ポーカーのベット目的は2つだけ|バリューとブラフの基礎セオリーで解説しています。
なぜバリューだけでは足りないのか
リバーで、相手がワンペアを持っているとします。自分のベットがいつも強い手だと分かっていれば、相手は降りるだけで済みます。これでは、バリューベットにコールしてもらえません。
一方、自分のベットに一定の割合でブラフが入っていると、相手は降りすぎるとブラフに負けます。そのため、ワンペアのような手でもコールを続ける必要が出てきます。
ただし、これは相手が自分の範囲を考えている場合の話です。相手がワンペアなら必ずコールするタイプなら、ブラフがなくてもバリューベットにはコールしてもらえます。
ベットサイズ別の「バリューとブラフの比率」
リバーで打つ場合の目安は次のとおりです。
| ベットサイズ(ポット100点) | 相手がコールに必要な勝率 | ブラフの割合 | バリュー:ブラフ |
|---|---|---|---|
| 1/3(33点) | 20% | 20% | 4:1 |
| 1/2(50点) | 25% | 25% | 3:1 |
| 2/3(67点) | 約29% | 約29% | 約5:2 |
| ポットと同額(100点) | 約33% | 約33% | 2:1 |
| ポットの2倍(200点) | 40% | 40% | 3:2 |
※ブラフの割合は「ベット額÷(ポット+ベット額×2)」で求めています。この割合のとき、ブラフにだけ勝てる手(ブラフキャッチャー)を持つ相手は、コールしても降りても損得が同じになります。
たとえば、ポットと同額を打つ場面で、バリューの手が10通りあるとします。ブラフは5通りまでが目安です。これより多くブラフを打つと、相手のコールが得になります。
手の組み合わせの数え方はコンボ数計算とブロッカーの基礎|相手のハンドを組み合わせで読むで、強い手とブラフに分かれた範囲の構造は上級者が使い分ける「ポラライズ」と「コンデンス」のレンジ構造と使いどころで解説しています。
フロップ・ターンでは、ブラフを多めにできる
上の比率は、もうカードが落ちないリバーの目安です。フロップやターンのブラフは、ドローが完成すれば強い手に変わります。
そのため、フロップやターンでは、リバーより多くのブラフを混ぜても割に合います。ブラフの候補は、当たる見込みのあるドローから選ぶのが基本です。
ドローで打つ考え方はポーカーのセミブラフとは?ドローで主導権を奪う2つの勝ち筋と発動条件で解説しています。
ブラフ候補を選ぶ3つの基準
リバーでブラフに使う手は、次の3つの基準で選びます。
- 基準1:ショーダウンで勝てない手
チェックしても勝てる見込みがある手は、ブラフに使いません。ブラフにすると、相手の弱い手を降ろしてしまうからです。外れたドローのように、チェックすると負ける手を選びます。 - 基準2:相手のコールする手を減らせる手
相手がコールに使う手のカードを、自分が1枚持っていると、相手がその手を持つ組み合わせが減ります。この効果を「ブロッカー」と呼びます。 - 基準3:相手の降りる手を減らさない手
相手が降りる予定の手(外れたドローなど)のカードを自分が持っていると、相手の降りる組み合わせが減ります。そのような手は、ブラフの効果が下がります。
たとえば、ボードが「K-T-7-3-2」で、フラッシュが完成しなかったリバーだとします。相手はAKやKQなどのKのペアでコールし、外れたフラッシュドローで降りると考えられます。
- ブラフに向く手
QJのような、外れたストレートドロー(フラッシュのマークを含まないもの)。相手のKQを減らし、自分はチェックしても勝てません。 - ブラフに向かない手
フラッシュのマークを含む外れたドロー。相手が降りる予定の外れたフラッシュドローを減らしてしまいます。ほかに候補があれば、そちらを優先します。
ブロッカーを使ったブラフの組み立て方は、ブロッカーから逆算する「ストーリーのあるブラフ」の組み立て方で解説しています。
バリューとブラフをセットで組む4つの手順
リバーで打つかどうか迷ったときは、次の順番で考えます。
- 手順1:バリューで打つ手を挙げる
この場面で、相手のコールする手に勝てる手を挙げ、何通りあるかを数えます。 - 手順2:ベットサイズを決める
バリューの手がどれくらい強いか、相手がどのサイズまでコールするかで決めます。 - 手順3:ブラフの数を決め、候補を選ぶ
上の比率の表からブラフの数を決め、3つの基準を満たす手から優先して選びます。 - 手順4:バリューもブラフも同じサイズで打つ
ブラフのときだけサイズを変えると、相手に見分けられてしまいます。
上の「K-T-7-3-2」の例で、ポットと同額を打つ場面を考えます。バリューの手が18通りあるとすると、ブラフは9通りが目安です。フラッシュのマークを含まないQJはちょうど9通りなので、これをブラフに使います。どちらの手でも、ポットと同額の同じサイズで打ちます。
相手に合わせた調整|降りない相手にはブラフを減らす
| 相手の傾向 | ブラフの量 | バリューベット |
|---|---|---|
| ワンペアでほぼ降りない | 減らす(ほぼ打たない) | 薄い手でも打つ。強い手ほどサイズを大きくする |
| コールと降りのバランスが取れている | 比率の目安どおり | サイズに合わせて打つ |
| 大きいベットにすぐ降りる | 増やす | 強い手は小さめに打ち、コールを得る |
アミューズメント店舗では、ワンペアで降りない相手が少なくありません。そのような相手には、バリューだけで打つのが効果的です。詳しくはコールが多い相手(コーリングステーション)から利益を取るピュアバリュー戦略で解説しています。
相手のタイプの見分け方は【攻略表】TAG・LAG・コーリングステーション・マニアックの弱点と対策で、コールを続ける割合の目安は相手のブラフにカモられない「最小防衛頻度(MDF)」の数学と防衛ラインで解説しています。
よくある質問(FAQ)
- Q. 毎回、比率どおりにブラフを数えて打つ必要がありますか?
- A. 卓上で正確に数える必要はありません。初級者のうちは「ポットと同額ならバリュー2:ブラフ1」を覚え、ブラフが多すぎないかを確かめる程度で十分です。
- Q. ブロッカーを持っていない外れたドローでは、ブラフを打てませんか?
- A. 打てないわけではありません。ブロッカーは、ブラフ候補の中から優先する手を選ぶ基準です。候補が足りない場合は、ブロッカーのない手もブラフに使います。リバーの判断はリバーの思考法|バリューベットの適正サイズとブラフキャッチ判断も参考にしてください。
- Q. 自分のブラフが相手に見破られている気がします。
- A. ブラフの量が多すぎるか、ブラフのときだけサイズが変わっている可能性があります。同じ場面では、バリューとブラフを同じサイズで打つようにします。
まとめ:ブラフは量と候補を決めてから打つ
- 原則1:ブラフの割合はベットサイズで決まる
ポットと同額ならバリュー2:ブラフ1、ポットの半分なら3:1が目安です。 - 原則2:候補は、勝てない手でブロッカーのある手から選ぶ
相手のコールする手を減らし、降りる手を減らさない手を優先します。 - 原則3:相手の傾向に合わせて量を変える
降りない相手にはブラフを減らし、バリューで大きく取ります。
ブラフは、手が外れた悔しさから打つものではなく、バリューベットにコールしてもらうための仕組みです。量と候補を先に決めておけば、ブラフが失敗しても判断の良し悪しを振り返れます。
次は、ブロッカーを使ったブラフを、プリフロップからリバーまで筋の通った形で組み立てる方法を学びます。
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