フロップのCB(プリフロップでレイズした側が続けて打つベット)は、ポットより小さいサイズで打つのが基本です。
ところが、ポットより大きい125%のCBを打つ戦略もあります。
「大きく打つと、弱い手に降りられてしまうのでは」
「どんなときに、そこまで大きく打つのだろう」
このように疑問に感じた方も多いのではないでしょうか。
本稿では、125%のCB(オーバーベット)が効く盤面と相手の条件、打つ手と打たない手を解説します。小さいCBとの使い分けも整理します。
- 125%のCBは、自分に強い手が多く、相手に強い手が少ない盤面で使う
- 打つのは「強い役」と「強いドロー」に絞り、中くらいの手はチェックする
- 降りない相手にはバリュー中心で使い、ブラフは減らす
125%のCBは「強い手の数で勝る盤面」で使う(結論)
大きいサイズは、相手のワンペアに大きな額を払わせるための道具です。相手が強い手を持ちにくい盤面ほど、効果が大きくなります。
初級者のうちは、盤面に合わせた通常のサイズ(乾いたボードは1/4〜1/3、役が完成しやすいボードは2/3〜3/4)で十分です。125%のCBは、相手の傾向が分かってきたときの選択肢として覚えておきます。
125%のCBとは|サイズの計算と相手に必要な勝率
ポットが40点なら、125%は50点です。ポットに、ポットの1/4を足すと暗算できます。
サイズごとに、相手と自分に求められる数字は次のとおりです。
| CBのサイズ(ポット100点) | 相手がコールに必要な勝率 | ブラフが得になるのに必要な相手の降りる割合 |
|---|---|---|
| 1/3(33点) | 20% | 25% |
| 2/3(67点) | 約29% | 40% |
| ポットと同額(100点) | 約33% | 50% |
| 125%(125点) | 約36% | 約56% |
※相手のコールに必要な勝率は「コール額÷コール後のポット全体」で求めています。降りる割合は「ベット額÷ベット後のポット全体」です。
125%で打つと、相手はおよそ36%以上の勝率がないとコールが割に合いません。弱いワンペアやドローには重い価格です。コールを続ける割合の考え方は相手のブラフにカモられない「最小防衛頻度(MDF)」の数学と防衛ラインで解説しています。
使う条件1:強い役が自分の側に多い
この状態を「ナッツアドバンテージ」と呼びます。範囲全体の強さで勝る「レンジアドバンテージ」とは区別します。
たとえば、前の席からオープンし、BBだけがコールした場面です。フロップは「A-K-4」で、マークはばらばらとします。
- オープンした側
AA(スリーカード)、KK(スリーカード)、AK(ツーペア)を多く持っています。 - BB
AAやKK、AKの多くはプリフロップで3ベットするため、コールした範囲には少なくなります。
このような盤面では、オープンした側が強い役で大きく打ち、相手のAのワンペアから多くのチップを得られます。2つのアドバンテージの違いはレンジアドバンテージとナッツアドバンテージの基礎|ボード支配権とCB戦略で解説しています。
なお、同じ盤面で小さいCBを高い頻度で打つ方法もあります。どちらを選ぶかは、相手がワンペアで大きい額を払うかどうかで決めます。
使う条件2:相手の範囲に強い手が少ない
相手の範囲の上限が低い状態を、「キャップされている」と言います。強い手が抜けている範囲、という意味です。
キャップされた相手は、大きいベットを受けると、ワンペアで払うか降りるかの苦しい判断を迫られます。逆に、相手もセットやツーペアを多く持てる盤面では、大きく打つと強い手にだけ付き合われます。
役が完成しやすいウェットボードでは、相手もドローや強い手を多く持ちます。そのような盤面のCBの考え方はウェット・ドライ別「CB」の頻度とサイズの決め方で解説しています。
125%で打つ手、打たない手
| 自分の手 | 125%で打つか | 理由 |
|---|---|---|
| セット・ツーペア | 打つ | 相手のワンペアから多く得られる |
| 強いドロー | 打つ | 相手が降りても、コールされても当たる見込みがある |
| トップペア・強いキッカー | 状況による | 相手がワンペアで払うなら打つ候補になる |
| トップペア・弱いキッカー以下 | 打たない | 大きく打つと、勝てている手に降りられ、負けている手にだけコールされる |
| 何もない手 | 基本は打たない | 降りない相手には通りにくい |
強い手と、ドローなどのブラフに二極化した範囲を「ポラライズ」と呼びます。構造の詳しい説明は上級者が使い分ける「ポラライズ」と「コンデンス」のレンジ構造と使いどころで、ドローで打つ考え方はポーカーのセミブラフとは?ドローで主導権を奪う2つの勝ち筋と発動条件で解説しています。
店舗で使うときは、降りない相手にバリュー中心で打つ
アミューズメント店舗では、トップペアやセカンドペアでコールを続ける相手が少なくありません。こうした相手は、サイズが大きくても降りにくい傾向があります。
- コールの多い相手
セットやツーペアで125%を打ち、ワンペアから大きく取ります。手が外れているときは打たずにチェックします。 - 降りやすい相手
強いドローでの125%も選択肢になります。ただし、毎回大きく打つと、強い手だけで返されるようになります。
コールの多い相手への考え方はコールが多い相手(コーリングステーション)から利益を取るピュアバリュー戦略で解説しています。
打った後のターンを先に考えておく
ポット10BB、お互いの残りが95BBの場面で計算します。
- フロップで12.5BB(125%)を打ち、コールされる
ポットは35BB、残りは82.5BBになります。 - ターンのSPRを出す
82.5÷35で、SPRは約2.4です。 - ターンの方針
もう一度ポットの半分以上を打つと、残りはポットより少なくなります。強い手なら、オールインまで行く前提で打ちます。
SPRの考え方はライブで迷わないSPR(スタック・ポット比)の即座暗算とコミット判断基準で、ターン以降も打ち続ける条件はターン以降も打ち続ける「ダブル・トリプルバレル」の論理と発動条件で解説しています。
よくある質問(FAQ)
- Q. フロップでは毎回125%で打てばよいですか?
- A. いいえ。大きく打つのは、自分に強い役が多く、相手に少ない盤面に限ります。それ以外の盤面では、通常のサイズのCBやチェックを使います。毎回大きく打つと、中くらいの手で打てなくなり、相手にも読まれやすくなります。
- Q. 先攻(OOP)でも125%のCBを使えますか?
- A. 使える場面はありますが、後攻よりも難しくなります。ターン以降を先に行動するため、コールされた後の判断が増えるからです。まずは後攻で、強い手を持ったときから試すのがおすすめです。
- Q. 相手にレイズされたらどうしますか?
- A. 125%に対するレイズは、相手が強い役を持っていることが多いです。ドローで打っていた場合は、必要な勝率を計算して判断します。セット以上なら、そのままオールインまで行く準備をしておきます。
まとめ:大きいCBは、強い手の数で勝るときの道具
- 原則1:自分に強い手が多く、相手に少ない盤面で使う
プリフロップの行動から、相手の範囲に強い手が抜けているかを確かめます。 - 原則2:打つ手は、強い役と強いドローに絞る
中くらいの手は大きく打たず、チェックします。 - 原則3:降りない相手にはバリュー中心で使う
相手の傾向を見て、ブラフの量を調整します。
125%のCBは、使う場面を選べば、ワンペアの相手から大きくチップを得られる有効な選択肢です。まずは強い手を持ったときに、相手がワンペアで払う傾向があるかを見て試してみましょう。
次は、リバーでのバリューベットの適正サイズと、ブラフキャッチの判断を学びます。