【計算式】オープンレイズの適正額は「3BB+リンパー1人1BB」

【計算式】オープンレイズの適正額は「3BB+リンパー1人1BB」 プリフロップ戦略

テキサスホールデムで参加する手札が決まったら、次に迷うのが「いくらでレイズするか」です。

「とりあえず2倍にしておこう」
「強い手だから大きめに出そう」

このように、その場の気分で額を決めていないでしょうか。

最初に自分からレイズすることを「オープンレイズ」と呼びます。お店の入口で入場料を決めるようなもので、額によって「何人がついてくるか」が変わります。

額が安すぎると多くの人が入場し、自分の勝率が下がります。高すぎると、負けたときの失う額が大きくなります。

本稿では、初心者が卓上で迷わずに済むオープンレイズの額と、その計算方法を解説します。

この記事のポイント
  • オープンレイズは「3BB」を基本とし、前にリンパーがいれば1人につき1BBを上乗せする
  • 額が安いと参加人数が増え、強い手でも勝率が大きく下がる
  • 手札の強さで額を変えず、いつも同じ計算式で出すと手札を読まれにくい

オープンレイズの額は「3BB+リンパー1人につき1BB」(結論)

結論: オープンレイズは3BBを基本とし、前にリンパーがいれば1人につき1BBずつ上乗せします。

BBとは、ビッグブラインドの額を1とした単位です。ブラインドが100-200の卓なら、1BBは200点です。

リンパーとは、レイズせずに1BBを払ってコールで参加した人のことです。

計算式は次の1行だけです。

オープンレイズの額 = 3BB + リンパーの人数 × 1BB

初心者のうちは、手札に関係なくこの式にそろえれば十分です。上達すると、卓の雰囲気や席によって額を使い分けます(FAQ参照)。

なぜコール参加や安すぎるレイズでは損をするのか

Point: レイズの額は、ついてくる人数を絞るための「入場料」です。安くすると参加人数が増え、強い手でも勝率が大きく下がります。

店舗のリングゲームでは、AKのような強い手でもレイズせずにコールで参加する初心者が少なくありません。強い手を隠して相手を引き込もうと、潜って参加するためです。

しかし、参加人数が増えるほど、どんな強い手も勝率は下がります。相手の手札がランダムだと仮定して計算すると、次のようになります。

自分の手札 相手1人 相手2人 相手3人 相手4人
AKo 約65% 約49% 約39% 約33%
KJo 約61% 約43% 約34% 約28%
T9s 約54% 約39% 約31% 約26%

※各30,000回のシミュレーションによる、リバーまで進んだ場合の勝率です。実際の相手は手札を選んで参加するため、あくまで目安です。

AKoでも、相手が4人になると勝率は約3回に1回まで下がります。人数が増えると、自分以外の誰かが強い役を作っている可能性も高まり、ブラフも通りにくくなります。

額が安いと、ビッグブラインドの人にも安くついてこられます。2BBのオープンなら、ビッグブラインドは約22%の勝率でコールが割に合います。3BBなら約31%が必要になります(SBが降りた場合で、レーキは含めていません)。

多人数のポットの戦い方は3人以上でセオリーが一変する「マルチウェイポット」の戦術と3大鉄則で詳しく解説しています。

リンパーがいる時の計算と早見表

Point: 前にリンパーがいるときは、3BBにリンパーの人数分の1BBを足します。足さないと、リンパーに安くついてこられます。

リンパーはすでに1BBを払っているため、3BBのレイズに対しては残り2BBで参加できます。人数分を上乗せすることで、リンパーにも十分な代償を求めます。

前のリンパー レイズ額 BB200点の卓 BB400点の卓
0人 3BB 600点 1,200点
1人 4BB 800点 1,600点
2人 5BB 1,000点 2,000点
3人 6BB 1,200点 2,400点

リンパーを狙ってレイズする考え方はリンパーを孤立させる「アイソレートレイズ」の極意と適正サイズで解説しています。リアルチップで額を素早く数える方法は【計算式】リアルチップで迷わない「1/3・ハーフ」瞬時暗算術を参照してください。

手札の強さでレイズ額を変えてはいけない理由

Point: 強い手で大きく、弱い手で小さく出すと、額だけで手札の強さを読まれます。いつも同じ計算式で出します。

「AAだから大きく出して確実に取りたい」と考えて額を変えると、周りのプレイヤーはすぐに気づきます。

額が大きい時だけ降りられ、額が小さい時だけ攻められるようになり、強い手で十分なチップを取れなくなります。

額を決めるのは手札ではなく、リンパーの人数や席といった卓上の状況にします。こうすれば、どの手札でも同じ見え方になります。

よくある質問(FAQ)

Q. スモールブラインド(SB)から最初にレイズする時も同じ額でよいですか?
A. リンパーがいなければ同じ3BBで問題ありません。リンパーがいる時は、人数分の上乗せにさらに1BB足します。SBはフロップ以降に先に行動する不利な席のため、相手を降ろしやすい額にし、参加する手札自体も絞ります。席ごとの有利不利は【図解】ポーカーのポジション早見表|座席名(BTN〜SB)と有利不利の基本で確認できます。
Q. 誰がレイズしても全員がついてくる「ゆるい卓」でも3BBのままですか?
A. 初心者のうちは、いつもの計算式を守ることを優先します。それでも毎回3人以上がついてくる卓では、計算式の額に1〜2BB足して参加人数を絞る方法もあります。詳しくはリンパーを孤立させる「アイソレートレイズ」の極意と適正サイズで解説しています。
Q. トーナメントでも3BBでよいですか?
A. この記事の額は、ブラインドが変わらないリングゲーム(キャッシュゲーム)を前提にしています。トーナメントでアンティが入るとポットが最初から大きいため、2.0〜2.3BBの小さめの額が一般的です。理由はアンティ導入で何が変わる?参加レンジ拡大とスチール成功の鉄則で解説しています。
Q. 相手にレイズを返された時はどうすればよいですか?
A. 自分のレイズに対して相手がさらにレイズしてきた場合の判断は、次のSTEPで扱います。相手からレイズされた時の対処基準|3-betとフォールドの境界線を参照してください。返す側の額の決め方は【計算式】3ベットの適正額とサイズ基準|IP3倍・OOP4倍で解説しています。

まとめ:レイズ額は計算式で決め、卓上で迷わない

  1. 原則1:オープンレイズは3BBを基本にする
    初心者のうちは、手札に関係なく3BBにそろえます。上達すると、卓の雰囲気や席で使い分けます。
  2. 原則2:リンパーがいれば1人につき1BBを足す
    リンパーに安くついてこられないよう、人数分を上乗せして参加人数を絞ります。
  3. 原則3:手札の強さで額を変えない
    額で手札を読まれないよう、いつも同じ計算式で出します。

レイズの額は、勝率を守るための入場料です。計算式を一つ持っておけば、卓上で迷う時間がなくなり、目の前の判断に集中できます。

まずは次の一手で、3BBのオープンレイズを試してみましょう。

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